何でオレは
こんなに恐がり何だろうか
最近つくづく思う
全く余裕って物が感じられない
恐いから怒る
恐いから逃げる
恐いから何も出来ない
今思えばオレは昔から恐がりだった様に思う
フリーターやってた頃とかとくに
寝る前いっつも不安だったな
この先オレどーなっちまうのかなぁ
みたいな
先の事ばっかで悩んで今を楽しめない奴だった
昔のバイト先の蕎麦屋の近くに
無職でいっつもプラプラしてるおっさんが居た
いつも同じ服でさ
髪も何年も洗ってない様な人が
近所ではヤマンバとーさん
って言われてたんだけどさ
結構な有名人なんだけどねW
近所のスーパーでいっつも試食したり
肉コーナーでタダで貰える脂身ってあるじゃん?
あれ大量に持ってたり
たまに10円もやしとかワンカップ買ったりしてたけどね
休憩コーナーで適当な人見つけて喋りかけたりもしてたな
まぁ 基本はスーパーに居るんだけどW
そんなヤマンバとーさん何だけど
以外な事に家族が居るんだよね
ちゃんとアパートも借りてるし
まぁ 奥さんに養って貰ってるみたいなんだけど
たまに買ったワンカップでぐでんぐでんに酔っ払ってさ
アパートの階段でヤマンバとーさんが寝てると
泣きながら
怒りながら
部屋まで引っ張ってたりしてたなぁ
普通さ
そんな生活何年もされたら離婚するよね
でも別れないんだよね
オレが知ってる限り5年
聞いた話しでは相当昔かららしい
そんなある日
ヤマンバとーさんがスーパーで事件を起こした
いつもの如く
いつものスーパーで過ごしてたらしいんだけど
たまたま そのスーパーの中にあるパン屋で試食したみたいなのよ
やっぱり汚いおっさんがさ
店先でパンがっついてたら他の客も寄り付かないじゃない?
買う気もないだろうしさ
そんで痺れを切らした店員さんが文句を言ったんだよね、結構キツめに
そしたらさ
おっさん
失禁したらしい
その場でオシッコ漏らしちゃったんだって
それでも必死に反論してたらしいよ
泣きそうになりながら
多分 悔しかったんだろうね
おっさんも中々引き下がらないからさ
人も集まってきちゃって
結構な騒ぎになってた
さすがに警察沙汰にまではならなかったけどね
その後
奥さん泣きながら謝りに来てたらしい
さすがに離婚だろう
と
オレは思った
が
別れた様子はないんだよね
その失禁事件後
おっさんは
スーパーへの出入りを今後一切禁止
という事で許しを得たらしい
それからというもの
いっつも
アパートの前に
ぺたんと座りながら
ぼーっと
空を見てた
オレはそんな
おっさんが気になり始めてた
出前に行く度
なんとなく
今日も居るなー
何て思いながら見てた
当時のオレは
あの おっさん
ヤマンバとーさん
に
自分の未来を重ねてた
もしバンドが駄目だったら..このまま就職もせずにフリーターしてたら..蓄えも先立つ物も資格も学歴も特技も取り柄も何もない
オレもアソコに行き着くんだ
もしかしたら
あれ以下だ
何て思ってた
結婚なんて出来るわけないだろうし
オレの場合は本当に独りになるんだろう
って思ってた
嫁も子供も居ない
オレがあの おっさんの年の頃にはきっと親も居ないだろう
オレには兄弟もいない
誰の目にもとまらず
どっかで野垂れ死ぬんだろう
何だかおっさんを見てると
いたたまれなくなって発狂しそうになるんだけど
目が離せなかった
それから数日後
おっさん夫婦が
オレの働く蕎麦屋に来た
めっちゃ臭かった
でも
その夫婦はなんだか幸せそうだった
ただ二人で蕎麦食ってるだけなんだけどね
そして
当たり前だがちゃんと金を払って帰ってった
やっぱり
おっさんは臭かった
でも
オレは
奥さんがおっさんを見捨てない理由が少しだけ
何となく
わかった気がした
その後
ぺたんと座る
おっさんを見かけなくなって数日が経った
やっと働く気にでもなったんだろうか?
なんて事を思ってたら
バイト先のパートのおばちゃんが
答えを教えてくれた
どうやら
息子が働く左官やでバイトしてるらしい
ってか息子居たんか...
そしてすねかじるな
まぁ
その二ヶ月後にはまた
元どうりのおっさんに戻ってたけどねW
やっぱり
オレはそのおっさんを見る度に感じる不安感は変わらなかった
でも恐いなら
戦おうと思う様になった
人を傷付けるとか
んな事じゃなくね
恐いなら
その不安と恐怖を
一つずつ
取り除く努力をしなきゃ
と思う様になった
何だ
恐がりも悪い事ばかりじゃねぇな
逆に考えれば強くなるきっかけになるな
そう
思いついた3年前
そんで 現在 2008年2月
オレはほんの少しだけ不安と恐怖を取り除く事に成功した
そして
また新たな
不安と恐怖を感じてる
すげー恐い
でも
これは
強くなるきっかけ
必死に自分に言い聞かせ
今後の作戦を練っている
そんな時
ふと
おっさんを思い出した
だから書いてみた
今から数年後
この日記を読むオレは
どんな顔してるだろうか
楽しみであり恐くもある
達也
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